
本八幡に店を構える炭火居酒屋「つちよし」。
焼き鳥、魚、鰻、日本酒。一つの料理に絞らないのは、この街で過ごす夜を、一軒の中で満たすため。
幼い頃から家業の居酒屋を手伝い、白衣を着て店に立つ父親の姿を見てきた小峰さん。街に必要な店を考え、お客様との距離を測りながら、自分たちが選ばれる理由をつくる。その店づくりについて伺いました。
一軒で、夜を満たす

【小峰丈晴 (こみね・たけはる)】
飲食店「つちよし」オーナー。幼少期から家業の「とり吉」を手伝い、大学卒業後は居酒屋を展開する企業へ就職。父親の逝去を機に家業へ戻り、兄と店舗を支えた後、「つちよし」を開業した。
佐藤:「つちよし」は、どのようなお店ですか。
小峰さん:僕は居酒屋という言葉が好きなので、居酒屋と言っています。ただ、魚も焼き鳥も鰻もあるので、何屋か分からないと言われることも(笑)。
千葉県の本八幡にお店を構えているのですが、ここは、何軒も梯子するのではなく、一軒で食事を終えたい人が多い街だと感じています。だから、ここだけで全部完結できる方が、この街には合っていると思いました。
実家も飲食店を営んでいるのですが、焼き鳥だけではなく、魚や鰻などいろいろな料理を出していました。その形をそのまま受け継いだわけではありませんが、一つの料理に絞らず、その日の気分や一緒に来る人に合わせて選べる楽しさは残していますね。
焼き鳥を中心に、刺身や鰻、日本酒まで。一軒の中で、その日の気分や一緒に来る人に合わせて選べる。それが「つちよし」という店です。
受け継ぐ前に、外へ出る

佐藤:飲食の道へ進んだ原点を教えてください。
小峰さん:中学生の頃までは、自分の店を持つことが夢でした。実家が居酒屋だったので、小さい頃から店を手伝っていて、夏休みに皆が遊びに行っている時も配膳をする幼少期でした。
手伝うことが嫌な時もありましたが、家にいる父と、店に立つ父は全然違って見えたんです。白衣を着て営業に入ると、もの凄くかっこよかった。
成長するにつれて、自分の店を持つより、実家の「とり吉」を継ぐのもいいと思うようになって。そこで、家業に入る前に外で学こうと、大学では経営を学び、卒業後は当時流行していた居酒屋へ就職したんです。
兄は歴史のある懐石料理店で修業していたので、僕は違う場所を見たかった。ホールを希望していましたが、厨房にも入り、料理と接客の両方を経験しました。
外に出て初めて、お客様が次に何を望むのかを考える接客を学びました。
3年ほど学んでから戻るつもりでしたが、1年半ほどで父が亡くなり、予定より早く家業へ戻ることに。
その後、コロナ禍や、会社の代表が母から兄へ移る時期を迎え、この先の人生を考えるようになりました。その時に、子どもの頃に夢見ていた、自分の店を持つことを再び意識したんです。
なかなか踏み出せずにいた僕の背中を最後に押してくれたのは、妻でした。「いいよ、やりなよ」と言ってくれた。
その言葉で、「つちよし」を始める決心がつきました。
その人が望む距離をつくる

佐藤:小峰さんと話していると、距離感が自然と近づいている印象があります。接客で意識していることはありますか。
小峰さん:良い時間を過ごしてもらうために、必要であればコミュニケーションを取るという感覚ですかね。
話をしたい人もいれば、一人で動画を見ながら飲みたい人もいます。こちらから話しかけることが、全員にとって良いとは限りません。だから、店に入ってからの動きや過ごし方を見ながら、その人に合う距離を考えます。
飲食店は、短い方でも一時間ほど、長い方なら開店から閉店まで過ごす場所です。最初から距離を決めなくても、その時間の中で少しずつ合わせていくことができるんです。
僕は料理や日本酒の話から入ることが多いですが、スタッフの中には、お客様のネイルを見て「かわいいですね」と声をかけ、そこから自然に会話を広げられる子もいます。
入口はそれぞれ違っても、その人が何を望んでいるかを見ることは同じです。
一日の終わりに来てくださる方が多いので、帰る時に「今日一日、良かったな」と思ってもらえたらいい。料理も会話も、距離を置くことも、すべてはそのためにあると思っています。
良いものを、手の届くところへ

佐藤:料理や食材を選ぶ時、どのようなお客様を思い浮かべていますか。
小峰さん:年齢を重ねる中で、少しずつ料理やお酒の質に興味を持ち始めた方に来てもらいたいと思っています。たくさん食べたり飲んだりするより、良いものを少しずつ楽しみたい。今は、そういう方が増えていると感じます。
食材の価格が上がった時も、質を落とす方向には進みたくありませんでした。むしろ鮪を本鮪に変え、鰻も三河産を選ぶようにした。量ではなく、一皿や一杯の満足を大切にする店でありたいと思ったんです。
佐藤:その先に、どのような店をつくっていきたいですか。
小峰さん:父が店に立っていた頃の「とり吉」が、僕は本当に好きでした。店に人が集まり、父も周りの人も輝いて見えた。あの景色を、自分なりの形でもっと広げていきたいと思っています。
船橋に2号店を出すつもりです。千葉の中でも人が集まる街で、もっと多くの方に「つちよし」に触れていただきたいと思っています。
席に戻るまでの、短い時間

佐藤:Lei Perfumed Liquid Soapを使ってくださりありがとうございます。実際に使ってみて、どのような感覚を持ちましたか?
小峰さん:店の化粧室で使っているのですが、飲んでいる空間から一度離れ、自分だけの空間で香りに触れてから席へ戻る。その短い時間が、お客様にとって良い意味でのリセットになっているように感じます。
和食は繊細な香りを扱うので、より柔らかく、季節を感じられる香りも合う感じがしています。
編集部ノート
一軒で夜を過ごせる料理、相手に合わせた距離、良いものを手の届く形で届けること。
「つちよし」の形は、そこにいる人を見続けた先にありました。
近づくことと、距離を保つこと。
どちらも、その人の時間を整えるためにある。
香りもまた、前に出るのではなく、その時間に優しく寄り添うものなのかもしれません。
小峰さんが使うKUON Perfumed Liquid Soap
小峰さん Instagram
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つちよし 公式Web
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