イタリアンレストラン 「trattoria filo」 シェフ 伊藤泰宏さん Lei ユーザーインタビュー

語られなかった背景。明るさの裏側にあるもの。

そうした部分に目を凝らすことで、はじめて立ち上がる価値もある。

Leiは「陰翳礼讃」という考え方を通して、ものや空間だけでなく、ブランドや人の在り方にも向き合っていきたいと考えています。

私たちのインタビュー記事では、その思想に共鳴するブランドや人々の仕事、そして生き方を、静かに掘り下げていきます。

伊藤泰宏さんの料理と店と街づくり

仙川のイタリアンレストラン「trattoria filo」の店内。オープンキッチンのカウンター席とハイチェア、ペンダントライトが並ぶ様子。

「トラットリア」は本来、町の食堂。けれどtrattoria filoでは、親しみやすさの奥に、ふと背筋が伸びる瞬間があります。

この日、伊藤さんのお話は、料理から店づくり、そして“店に流れる時間”へと向かっていきました。

地元に愛される、みんなための「本気イタリアン」

trattoria filoの店長兼シェフ・伊藤泰宏さん。厨房を背景に、ワイングラスを手に会話する様子。

【伊藤 泰宏(いとう・やすひろ)】trattoria filo 店長兼シェフ。岐阜で惣菜店・喫茶店・バーの立ち上げを経験後、イタリアンの現場で厳しい修業を積んだ後上京。trattoria filoの立ち上げに参加し、直送食材にこだわった料理を振る舞う。

佐藤: trattoria filoについて、どんなお店か教えてください。

伊藤さん: カジュアル・イタリアンレストランとご紹介させていただいています。
Trattoriaというと、イタリアでは町の食堂のような位置付けです。日本でイタリアンというと、どこか格式が高いイメージが浸透していますが、変に敷居を上げたくなかったんですよね。一般的に持たれているイタリアンのイメージの中にも、どこか街の食堂のような距離感で楽しんでいただきたいなと。地元の人が気軽に通える「みんなの本気イタリアン」を目指しています。

佐藤: 街の食堂のような距離感で楽しんでいただきたい、と思うようになったきっかけはありますか?

伊藤さん: 街の雰囲気を見てそう思いましたね。仙川は周りに住宅が多く、人の温度を感じる街です。なので、地元の人が気軽に通えるよう間口を広くしたかったんです。それでいて、「本格的なものを手頃な価格で楽しんでもらいたい」という気持ちが根底にあります。

「次いつ作るの?」|ファンが生まれた瞬間、料理で生きていくことを決めた日

trattoria filoの店長兼シェフ・伊藤泰宏さん。黒いコックコート姿で、テーブルを囲みながら手元で説明している場面。

佐藤: 料理人を志したきっかけについて教えてください。

伊藤さん: 調理師学校を出たのですが、就活をしていたタイミングで、家業の八百屋が忙しかったので入ることになりました。父親が料理人で和食や寿司も作っていたので、その八百屋でひたすらお惣菜を作りながら勉強していたんです。

佐藤: その中で決定的な瞬間が?

伊藤さん: そこである時父に「全部自分でレシピ考えて惣菜一個作ってみ」と言われて。その時に中華を選んで、エビチリを作りました。ソースから全部作って、原価も出して販売価格も決めて、初めて自分でメニューを作ったんです。そしたら、そのエビチリが初日で完売してしまったんです。

そのときに、今まで味わったことのない感覚を感じましたね。めちゃくちゃ嬉しかった。数日後にお客さんが来て、「この前のエビチリ、次いつ作るの? 作るなら教えて。買いに来るから。」と言ってくださったんです。


その言葉を聞いた瞬間、ゾワッと震えたのを覚えています。「これや」って。そのときに、料理を仕事にすると確信しました。

東京へ。自分たちの手で店をつくる

trattoria filoの料理。皿の上のパスタに、手元でトリュフ(またはチーズ)を削りかけて仕上げている場面。ワイングラスが並ぶ。

佐藤:そこから、どのようにイタリアンの道へ?

伊藤さん: 今振り返ると遠回りしたなと思います。家業の八百屋で惣菜作りを3年くらいした後は、喫茶店の店長のオファーをいただき、立ち上げから経験しました。その後に、友達が始めたバーを手伝いで半年間店長をしたり。面白い経験は沢山できたのですが、「やっぱり俺は料理がしたい」とふと強く思って。

そこで、勉強したことない洋食を学びたい気持ちが出てきたんです。そこでイタリアンの現場に入り、皿洗いからのスタートでした。厳しい環境でしたが、賄い作りから少しずつ信用を重ねていき、任せていただくことが増えるに従い自信がついてきました。

そのタイミングで、友人から「東京で一緒に店をやろう」と誘ってもらって。
包丁セットとコックコートだけ持って上京して、店舗の内装から自分たちで作ったのが、今のtrattoria filoです。

仙川に“目的地”をつくる

trattoria filoの食卓風景。ワインと料理が並ぶテーブルを囲み、会話と食事を楽しむ様子。

佐藤:今後、trattoria filoをどのようなお店にしていきたいですか?

伊藤:「仙川にいるからfiloに行ってみよう」ではなく、「filoがあるから仙川に行ってみたい」となるお店を作っていきたいです。
場所を選ばずとも、私たちがここにいるからお客さんが来てくれてる、という状況を作れたら嬉しいですね。


自分たちの料理や取り組みを通して、街の価値を少しでも上げれたらいいなと思っています。街づくり、店づくり、人の関わりを、料理を通してやっていきたいです。

お手洗いの数分まで、心地よい時間に

LeiのCard DiffuserとCitrus woodのボトル、外箱をテーブルに置いた写真

佐藤Lei card diffuserを使っていただきありがとうございます。なぜ、お店のお手洗いに香りを置こうと思ったのか、聞かせてください。

伊藤さん:お客様には、お手洗いの間も含めて気持ちの良い時間を過ごしていただけたらと思っています。飲食店でのお手洗いは、少しの休憩時間のような気がしていて。その時間を、綺麗な空間と良い香りで過ごしていただければ、お店にいる時間の全てが心地よくなるかなと。

佐藤置いてみて、何か変化はありましたか?

伊藤さん:「このディフューザーかわいいですね」とか「気持ちの良い香りですね」と言っていただくことがあり、嬉しく思っています。

佐藤もしも、気に入っているところがあれば教えてください。

伊藤さん:棚に置いた瞬間の佇まいが、妙にしっくりきて。香りはCitrus Woodにしました。
強く主張しないのに、きちんと残る感じが好きです。

佐藤:本日はインタビューありがとうございました。

trattoria filo
所在地:〒182-0002 東京都調布市仙川町1丁目21−7 2F
WEB:https://filo.knockdice.com/
Instagram:https://www.instagram.com/filo.knockdice/

編集部ノート

trattoria filoの料理は、派手さよりも設計の精度で人を惹きつける。

席を立ち、お手洗いに向かう数分まで含めて、店の時間が続いている。
その“途切れない心地よさ”を表現するものとして、香りが優しく置かれていました。

この記事を書いた人

Nobuaki Sato

Brand Manager of Lei
He was born in Kanagawa, Japan.
A polyglot fluent in Japanese, English, Italian, Spanish, French, and Portuguese. Lived in Italy and Spain to play Football. Joined Lei in 2022 after being inspired by Lei00

・Hobbies: Football, Padel, Movies, Reading, Anime, Running
・Favorite Music: Cumbia, Pop, Classical Music
・Favorite Manga: Slam Dunk, HUNTER HUNTER
・Favorite Athletes: Totti, Messi, Andy Hiraoka
・Favorite Alcohol: Sake, Wine, Aperol Spritz
・Favorite Foods: Oyakodon, Yakitori, Pasta, Asado
・Favorite Materials: Lacquer(Urushi) , Aluminum, Glass, Wood